【留め金具のGフックの詳細】
材料:亜鉛
納品:100個
用途:バッグなどのウェブベルトや安全ベルトに利用
お客様から、図面と一緒に「このGフックを図面通りに製作できませんか?」とお問合せを頂きました。
これが実際に送られてきた、かなり細かく寸法を表しているイラスト図面です。
文章で見ているだけだと、簡単な加工に感じてしまいますが、実は線を細くしたり、穴の角度を同じにしたりなどは、なかなか難しい加工になります。
しかし、杉原産業では製作できる技術があるので、「できますよー!」と返答をさせていただきました。
ただ問題は、利用用途です。
利用用途をお伺いすると、ロッククライミングなどで利用するという事でした。
もし、ベルトに利用するとなった場合、人の命を預けるものになるので、かなり強度が必要です。
その為、今回のGフックを作成する際はプレス加工でやるのが理想だと思いました。
金具の強度は、材料だけで変わるわけではなく、加工方法によって差が出てきます。
実際にプレス加工は非常に高い強度の物を作れるので、そういった意味で最適な加工法でした。
プレス加工は、上から圧力をかけて型の通りに製作する方法です。その為、強度の高い型を作成する必要があり、先ず要望通りの寸法の型を作成します。
そして、微調整を繰り返して、適切な型が完成します。
想像以上に型の作成にも時間がかかるので、型を作るだけでも相当費用が掛かります。
そして、元々の商品の材料は、ジュラルミンという(アルミニウム合金)でできており、非常に強度の高い留め金具になっておりました。
また、線を細くするという事だったので、強度は確実に落ちてしまいます。
その為、同じジュラルミンでプレス加工で製作をする事を前提にお見積りを出させていただきました。
しかし、見積を出した金額は、お客様の予想を上回る金額でした。
実際にどのくらいの金額で考えていたのかと聞くと、どれだけコスト削減を行っても不可能に近い金額だったので、それなら材料を変えて亜鉛でやってみてはどうか?と御提案をさせていただいて、依頼を受けることになりました。
亜鉛は、アルミニウム合金の次に機械的な強度を持っており、実際にアルミ合金の次に使用量の多い材料でもあります。
なにより、キャスティングという、ラバー型に流す鋳造法に向いている材料なので、プレス加工よりも費用を抑えることが可能です。
そして、Gフックの製作に取り掛からせていただきました。
図面通りにフックになっている部分の線を細めに制作をしました。
しかし、ここにはベルトを掛けるところであり、力の掛かるところなので、少々心配な細さです。
実際にこの様にベルトを掛けて利用するみたいなのですが、お客様に聞くと案の定、強度が弱く曲がってしまったという事でした。
どの位の力が掛かるのか分からないですが、細くした部分の線を太くするしかありません。
そしてもう一度、太くしたサンプルを出すと、今後は全く問題が無かったということで、製作をさせていただきました。
これで図面に書いていただいていた、ずっと使い続けられるような強度になったんじゃないかな…と思います!
このGフックは形がシンプルに見えて結構曲げていたりする部分が複雑なので、製作には技術が必要です。
ただ、難しい事ほど、やりたくなるのが杉原産業です!
「こんなんできますかー!?」とおっしゃっていただければ、実現させる為に様々な方法やノウハウを使って応用して、要望に合うものを製作させていただきます。
もちろんGフックなどの留め金具も大歓迎です!
普通はコストが見合わないような小ロットの製作物でも、材料問わず請けていることが多いので、迷わず!悩まず!お気軽に杉原産業にお問合せくださいませ。