お客様から、商品に取り付けるプライスプレートのサンプルの製作依頼をいただきました。材質は鉄製を希望されていましたが、それに加えて「まるで黒いレザーのように見える加工をしてほしい!」というお話でした。
お客様から図面をいただいて、細部までの寸法も提案してくださっていたのですが、直角になっている部分など、物理的に再現が難しいところもありました。
鉄を何か所も曲げて、商品の棚にフックのように引っかけるタイプのプライスプレートを作りたいとおっしゃっていたので、そこはもちろん変えずに、再現不可能なところも、出来るだけお客様の提案に近い形に近づけて、製作を行いました。
製作したプライスプレートのサンプルは、横幅が50mmです。
プライスプレートを引っかけるところの幅は20mmです。これの上下をひっくり返して、商品棚に取り付ける形になります。
鉄を黒いレザーのように仕上げるための工夫は、表面の塗装です。鉄を曲げてから、ウレタン塗料で黒く色づけし、その際に本物のレザーの表面にあるような模様をつけています。何も加工を行わない鉄のプライスプレートよりも、グッと高級感が上がりました。プライスプレートが付けられた商品のイメージも、良くなりそうです。
また、もう1つの工夫として、プライスプレートがツルツル滑らないように、エンボス加工(片面から押し上げてもう片面を浮かしたり、特殊なインクを使ったりして凹凸を表現する)に近い加工を施しています。
なめらかな金属は滑りやすいのですが、「ある商品の値段が付けられたプライスプレートが、気付かないうちに隣の商品のところへ行っていた!」 となると大変ややこしいので、そうなりにくいような工夫をさせていただきました。
今回はこの鉄製プライスプレート(黒いレザー調仕上げ)のサンプルを、2~3日の納期で1個製作して、お客様に納品しました。この仕上がりを見て、改良点やもっとこうしてみたい! というご要望があれば、またご依頼を頂きたいなと思っております。
この記事のタイトルで「鉄をレザーっぽく見せるなんて無理じゃないの?」と思った方も、もしかしたらいらっしゃるかも知れませんが、工夫次第で、何とか理想の形に近づけることは出来ます。
もちろん、どうしても無理なこともありますが、杉原産業では出来るだけお客様のご要望にお応えして、喜んでいただきたいと思っておりますので、ちょっとくらい奇抜なアイデアでも、まずは気軽にご相談していただけたらなと思います。もちろん、シンプルなプライスプレートの製作も、喜んで!