企業様からのご依頼で、記章のパーツ(鋲)を製作した事例です。
記章の生産を行うため、裏側に取り付ける鋲というパーツを5〜10万個ほど作って欲しいというご依頼でした。
サイズは太さ2mm長さが5mmで、差し込みやすいように先端が少し細くなっている形状です。
記章のパーツは機械による切削加工で製作しました。
ヘッダー打ちなど他の加工方法に比べ精密度が高く、他のパーツとの組み合わせが必要な鋲を均質に製作するのに向いているからです。
とはいえ、銅は粘性が高く削りにくいという特性があるので、ズレたりムラができたりしないように注意しながら切削を行いました。
粘り気が強い金属は、切削加工時にバリが出やすいため、他の金属に比べると難しくなります。
その他、切削時の摩擦熱で銅が溶け、切削器具の刃にこびりついてしまう可能性もあるため、温度管理にも十分気を付けなければいけません。
上記のように銅は熱で溶けやすいので、鋳物や金型製作においてその真価を発揮します。
そのため、古来から日本の金属製作物(銅鐸など)では、銅が使われていることが多いのです。
また、仕上がりが綺麗になりやすいという特徴もあり、日本円硬貨のすべてが銅もしくは銅合金作られています。
耐久性・抗菌作用のある銅は、寺社仏閣の昔ながらの建材やバーツ、その他、最近では感染症を緩和するための器具を制作する際に使われるなど、様々な場面でニーズがあります。
輝きを付けたいような制作物では、仮に加工が難しいとしても、お客様へ相談・提案を行うこともあります。
逆に「綺麗に仕上げたい」という要望をお持ちのお客様であれば、ご依頼の段階から、「銅を使って欲しい」とご希望されている場合もあります。
切削加工自体は機械があれば特に難しい作業ではありませんが、銅の粘性を考慮した加工を行う必要があるほか、加工時に使用する油の種類などもきちんと把握しておく必要があります。
特に油についての知識がない業者だと、対応ができない可能性があります。
また、銅の取り扱いが出来ない業者だと、そもそも受注が困難です。
弊社、杉原産業ではいかにお客様の要望に応えるかを大切にしており、様々な金属・加工方法を取り扱っています。
それぞれ、専門性の高い技術で丁寧に製作可能ですので、この事例のようなパーツ作りなど、細かな金属加工にお困りでしたら、ぜひご相談ください。