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難削材(高純度のタングステン)を加工して業務用カッターの製作

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カッターアップ


 

ホームページを見たお客様より「高純度(99%以上)のタングステンの加工ってできますか?」とのことでご相談いただいたのが、今回の業務用カッターご依頼の経緯でした。

お話を聞かせていただくと、色んな会社に加工は難しいんでうちはやっていないです。と散々断られたとのことでした。そんな中、杉原産業のホームページを見たお客様は「ここなら何とかしてくれるじゃないだろうか。」とお電話いただくことができました。

お客様の要望は以下の通りでした。

  • ・胴体は冷間圧延鋼板、刃の部分はタングステンを使用
  • ・タングステンは高純度の物を使用
  • ・冷間圧延鋼板の厚みは1mm
  • ・厚み1mmの冷間圧延鋼板に0.25mmの穴を0.35mmの深さであける
  • ・そのあけた穴に加工して尖ったタングステンを埋め込む

 

<商品詳細>

品名:業務用カッター
サイズ:厚み1mm
材料:タングステン

タングステンの特徴を活かしたカッターの刃

カッター失敗
カッター失敗


タングステンを削るときに割れてしまった失敗作です。

難削材(高純度のタングステン)を尖らす加工は失敗の繰り返しでした。その理由としては、ダイヤモンドとまではいかないですが、高純度のタングステンは金属の中でもとても固いです。更には高密度ということも相まって削ることが大変難しい金属です。

タングステンは鉄や銅などに比べると一般の人には少し聞きなれない素材だと思います。とはいえタングステンという金属はとても万能です。その主な特徴は熱に強い。3,000度以上が溶ける温度と言われています。目安としては鉄で1,500度といわれているので熱への強さはピカイチです。またずっしりとした重量があります。高密度の為、同じ大きさの鉄と比べても2倍以上の重さがあります。ご依頼主様はこういったタングステンの特徴を活かして、高純度タングステンの業務用カッターを求められていたのだと思います。

試行錯誤の末、タングステンの加工に成功

タングステンの加工成功


タングステンの加工成功②

カッターの刃の完成です。

ここから厚み1mmの冷間圧延鋼板にタングステンの刃をはめこんで業務用カッターが完成しました。

カッターアップ


カッターアップ


タングステンを尖らせる加工もとても難易度が高かったのですが、厚み1mmの冷間圧延鋼板に、タングステンが納まるように加工するのも、一苦労でした。とはいえお客様の「できないだろうなぁ」を解決するのが杉原産業のモットーです。

お客様からは「難しい加工やから誰も受けてくれへんかったんですけど、キレイに仕上がって一安心です。」とありがたいお言葉をいただきました。

お客様のご要望を叶えるたい!金属パーツの製作ならお気軽に杉原産業までお問い合わせください。