当社「杉原産業」は、様々な種類の金属加工を得意としており、真鍮やステンレスなどを丸く綺麗な球体に加工して、大量納品した事例がいくつもあります。
今回は、少し特殊な金属であるタングステンを加工して球を製作した事例をご紹介します。
タングステンは、鉄やアルミなどの金属と比較すると産出量が少ない希少金属の1つです。
タングステンは、耐熱性や耐放射線遮蔽に特に優れた金属で、ヒーターなど高熱に耐える必要がある部品に使用されます。
あらゆる金属の中でも高密度であり、とても硬いため加工の難易度が高いことが特徴です。
仮に切削加工を行う場合、ダイヤモンド刃のような極めて硬い刃でないと、刃の方がすぐに摩耗してダメになってしまいます。
また、タングステンは加工時に割れたり欠けたりしやすい金属でもあります。
タングステンの部品・パーツを綺麗に完成させるためには、通常の切削加工とは違う特殊な加工技術と、職人の熟練された金属加工テクニックが必要なのです。
記事の冒頭に掲載している球は、タングステンの精密球(5.5mm)です。
そして上の写真が、同じ大きさのタングステンの超精密球です。見た目ではほとんど違いが分からないかもしれませんが、この超精密球の加工が極めて難しいのです。
金属を綺麗な球形に仕上げるためには、”ボーライジング”という加工方法を採用します。
“ボーライジング”を簡単に説明しますと、穴の中に仕上げ寸法より少し大きな球を入れ、圧入して通りぬけさせる加工方法です。
球の内径を細かく調整することに向いた加工方法なのですが、先述したようにタングステンは非常に硬い金属であり、それをさらに超精密な球形(25等級)に仕上げなくてはいけないため、一筋縄ではいきません。
超精密球として納得がいく仕上がりにするために、慎重に加工を進め、細部までこだわり抜きました。
「タングステンとはいえ、ただの丸いパーツ」と思われるかもしれませんが、加工ノウハウの少ない業者では決してできない、高難易度な試みだったのです。
今回取り上げたのは、タングステンの精密球・超精密球ですが、また別の複雑な形状でも加工することが可能かもしれません。
タングステンの加工は難しいため、他社で「できない」と言われるケースもあるかもしれませんが、それでも製作を諦める前に、1度当社までご相談をいただければと思います。
もしかしたら、お力になることが可能かもしれません。
もちろん、タングステン以外を素材にした精密な球・ビーズの製作依頼も大歓迎です。
⇒ タングステン以外の球・ビーズの製作事例はコチラ
※「メタルビーズの製作依頼 | 穴の直径が小さく加工難易度が高い」の事例記事へリンクしています。
タングステンを精密球・超精密球に加工するなら杉原産業にお任せください。