部品の表面処理方法の1つに、メッキ(鍍金)加工があります。
このメッキには実に様々な種類があり、どの種類のメッキを使うのかによって、部品の見た目の印象が大きく変わったり、部品の耐久性が変わったりします。
つまるところ、部品のデザインや用途などによって、適したメッキの種類は異なるというわけです。
当社「杉原産業」は、多種多様な部品・パーツを製作加工する会社ですが、もちろん最後の仕上げであるメッキ加工の美しさにもこだわりを持っています。
今回は、メッキ加工専門業者にも後れをとらないよう尽力している、当社のメッキ加工事例をいくつか紹介しつつ、メッキの種類・特性について、分かりやすくお伝えしていきます。
メッキは、それぞれに特性を持ちます。
そして各メッキが持つ細かな特性は、「装飾メッキ」と「機能メッキ」に大別することができます。
実際は装飾性と機能性、双方の特性をある程度は併せ持つのですが、見た目のイメージを変えるためのメッキについては「装飾」の特性を重視した種類を、そして”錆びにくいようにしたい”など、部品の品質に関わるメッキについては「機能」の特性を重視した種類を選ぶことになるとしておくのが、簡単でよいでしょう。
もっとも、こうしたメッキの特性は、製造・加工業の専門分野ですから、業者に相談をすれば「装飾メッキ」と「機能メッキ」、どちらの特性を重視すべきなのか、問題なく判断してくれます。
どれも部品をより使いやすくしたり、劣化を防ぐために役立つ特性です。
機会があれば、別の記事でそれぞれの特性について、もう少し詳しく説明したいと思います。
上記で挙げているのは、機能的な特性もありますが、特に装飾性で優れていることを評されるメッキの種類です。
ここでは「金メッキ」と「ニッケルメッキ」、2種類のメッキの特徴を、ある1つのアクセサリーパーツを例にご紹介します。
「ニッケルメッキ」は光沢が強く、部品をぴかぴか美しく見せてくれるという特徴があります。
そして「金メッキ」は、その名の通り部品をゴールドに装飾することができ、高級感を持たせられるという特徴があります。しかし、摩擦によって剥がれやすいです。
上の写真のアクセサリーパーツは、普通の金メッキ仕上げに見えますが、実は下地にニッケルメッキが施されており、こうした仕上げ方を金メッキとは区別して「本金メッキ」と呼びます。
見た目の美しさが重視されるアクセサリーパーツの場合、金メッキの光沢をさらに引き出し、耐食性も向上するように、下地に光沢が強いニッケルメッキを使用した「本金メッキ」仕上げにすることが多いのです。
⇒ ニッケルメッキ・金メッキを併用したパーツの詳細を見る方はコチラ
※「金メッキのオーダーメイドアクセサリー」の事例にリンクしています。
上記は装飾性だけでなく、ある1つの目的を重視して選ばれることも多い、メッキの種類です。
例えば「スズメッキ」は、銀白色で美しい見た目を持つのと同時に、人体への毒性が比較的低い、そして耐薬品性を有するなどの特徴を持つため、缶詰の内側に施されることがあるメッキの種類なのです。
ここでは「ロジウムメッキ」の機能的特徴を、あるバックルを例にご紹介します。
こちらは重量挙げで使用する、ウェイトパワーベルト専用のバックルです。
バックルが壊れてベルトから外れると、踏ん張りが効かなくなり、重量挙げの選手が体のバランスを崩してしまいます。つまり、非常に危険です。
そのため、バックルの素材自体を頑丈な物にすることはもちろん、メッキでも耐久性を高められるように配慮しました。
右のシルバーのバックルが、耐久性に優れた「ロジウムメッキ」で仕上げられたものです。
シルバーの色を出せるメッキの種類は数多くありますが、ロジウムメッキはその中でも、トップレベルで耐食性・耐熱性・電気伝導性・耐摩耗性などが高いメッキなのです
⇒ ロジウムメッキを施したバックルの詳細を見る方はコチラ
※「パワーベルトのオリジナルバックルを製作」の事例へリンクしています。
以上、当社のメッキ加工実績を併せて、メッキの種類や特性についてご紹介しました。
ここまで、様々なメッキの種類についてお伝えしましたが、部品の表面処理方法はメッキだけに限らず、部品の用途やデザインによっては「研磨」などの別の表面処理方法が適していることもあるので、ひと口に表面処理をするといっても、非常に奥深いものなのだと分かります。
もちろん、製造業以外の一般企業様や、個人事業主様は、メッキのイロハをご存じなくても当然です。
しかし、上記のように「こうしたい!」という希望さえ決まっていれば、メッキ加工を含む最適な表面処理の方法を、プロの製作・加工業者は提案することができます。
少なくとも当社「杉原産業」はそうで、多種多様なメッキ加工を施したサンプルを数種お作りして、どのメッキが1番お客様の仕上がりイメージと一致しているか、実際に目で確認していただくことも少なくありません。
このようにして、お客様の理想にできるだけ近づけた部品を、当社は数多く生み出してきました。