錆びにくいという特徴で、今や多くの製品で使われているステンレス。
実は、そんなステンレスにも弱点があります。
それは、独特の金属臭がしてしまう事です。
「長年使ってきたアクセサリーやネックレスが鉄臭い。」「ステンレス製のタンブラーで飲み物を飲んだら変な味がする」等、ステンレス特有の金属臭にお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、アクセサリーなどはイベント毎に使い分けたいものです。
ここぞというときに「金属臭くて使えない。」なんてことになったら困りますよね。
本記事では、ステンレス特有の金属臭の原因についてまとめてみました。
更に、金属臭が気になる場合のお家ですぐに出来る対策法を紹介致します。
ステンレスの金属っぽい臭いというのはどうしても発生してしまいます。
長年使っていると出てくる臭いだけでなく、「買ったばかりなのになんか臭う」という事もあるようです。
そんな臭いの原因には、「鉄系素材特有の金気(かなけ)臭」と「皮脂や汗」の2つが関係しています。
この2つの原因について、詳しく紹介していきます。
買ったばかりのステンレスの臭いの原因は金気であることが多いです。
金気臭とは、鉄そのものがもつ鉄分の臭いのことで、鉄をベースにニッケル、クロム等を混ぜ合わせた「合金」であるステンレスでも同様に金気臭が発生します。
ニッケルやクロムの含有量が多くなるほど鉄の割合が減るので金気臭は軽減します。
しかし、ニッケルやクロムは加工が難しい素材なので、含有量が上がると価格も上がります。
含有量は8~20%の間で何段階かに分けて調整ができます。
Point:ステンレスの配合率
ステンレス(stainless steel)は、12%以上のクロムを配合した金属のことを指します。
その理由は、クロムが12%以上含まれていると錆びにくさが飛躍的に上昇するからです。
一般的に、食器などの家庭用雑貨等には18クロムステンレス(約18%のクロムを含んだステンレス)や13クロムステンレスが使われることが多いです。
ニッケルを含むステンレスになると、18-8や18-10、18-12等と呼ばれます。
約18%のクロムと約8、10、12%のニッケルが含まれています。
中でも18-8ステンレスは耐食性がかなり高い事から、食器などに限らず大型機械の部品などで用いられることがあります。
ステンレスの金気がどうしても気になる場合には、これらの配合率も一度視野に入れて検討してみると良いでしょう。
もしくは、金や銀等の貴金属製のものがオススメです。
長い間ステンレス製品を使っていると、独特の臭いがしてくることがあります。
食器などであれば、汚れや水分が原因で錆びている可能性が高いです。
しかし、ネックレスなどのアクセサリーの場合、錆び以外にも考えられる原因があります。
それは、皮脂や汗の付着です。
鉄に皮脂や汗などが触れると、化学反応が起こり「1-オクテン-3-オン」というニオイのもととなる分子が作られます。
これが、ステンレス製のネックレスが出す嫌な臭いの正体です。
決して金属そのものが臭いを放っているわけではなく、使ううちに付いた皮脂や汗と金属が反応を起こして出る臭いというわけですね。
錆びないとはいえ、こまめなお手入れの必要があります。
ここまで、臭いの原因について紹介しました。
しかし原因だけでなく、臭いに対しての対策方法が気になりますよね。
ここからは、お家で出来るステンレスの金属臭への対策方法を紹介していきます。
重曹は昨今テレビでも紹介される事が多いです。
アルカリ性なので、皮脂などの酸性の臭い物質を分解する効果が期待できます。
使い方は重曹を溶かした水に、ネックレスなどを浸けておくだけです。
取り出したら、柔らかい布でしっかり水分をふき取り、乾燥させましょう。
更に、酸性のクエン酸と組み合わせて使うことで、アルカリ性の臭い物質も分解することができ、更なる消臭効果が望めるでしょう。
ただし、混ぜ合わせて使ってしまうと中和して、お互いの効果を打ち消しあってしまいますので、あくまでも単品で別々に使うようにしましょう。
中性洗剤には、「界面活性剤」という、汚れを浮かす為の成分が多く含まれています。
中性という特性上、素材にも優しいため、ちょっとした汚れや日々のお手入れなどにオススメです。
ただし、しつこい汚れには効き目がないので注意しましょう。
使い方は、重曹と同じです。
水もしくはぬるま湯と混ぜて、浸けておきましょう。
取り出したら、水分をふき取ってしっかり乾かします。
ドリップ(抽出)後のコーヒーかすを、水気をしっかり切ってから柔らかい布で包んで金属を磨くと、臭いが取れます。
「コーヒー豆を冷蔵庫に入れておいたら他の物の臭いがついた。」というような経験はありませんか?
コーヒー豆自体、とても臭いの吸収力が高いので、消臭剤として使うこともできるのです。
ただし、あくまでも消臭剤なので、臭いを元から消したい場合は、重曹やクエン酸、中性洗剤を使いましょう。
磨いた後は一度水洗いして十分に乾燥させます。
ステンレスの臭いの原因と対策方法について紹介致しました。
錆びにくいステンレスですが、肌に触れる機会が多い食器やネックレスだと、臭いがどうしても気になります。
そんな時は、今回紹介した対策方法を是非お家で試してみてください。
また、この他にも金や銀などの貴金属であれば、臭いや汚れが付きにくく、錆びにも強いので一度検討してみてくださいね。
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