<商品詳細>
商品 :ストールピン
材料 :真鍮
納期 :無し
ロット:数千個
ご依頼頂いたのは、ストールピンのオーダー製作。
今回も、以前までは別の製作業者さんにお願いしていたようですが、ロットが数千個という少ない数では出来ないと断られて困っていたところで弊社のホームページを見てお問合せを頂きました。
このストールピンですが、簡単な加工のように思うのですが、実は製作工程が意外に多く、小ロットではなかなか採算が合いません。
ただ、採算が合わないという理由で他でも断れていて、本当に困っておられたので、「やるしかない!」という思いで最終的に請ける事にしました。
そもそもストールピンとは、ストールを留める為のピンのことで、他に色々と呼び方が有ります。
例えば、カブトピン、キルトピン、ショールピンなどの名称で呼ばれる事もあります。
主な使い方はストールやショールを留める為に使うのですが、宝石やちょっとしたアクセサリー要素をプラスすることによって、留めるだけでなくオシャレに使うアクセサリーとして使う事ができます。
ハンドメイドのアクセサリー製作でこのストールピンを作られる方も多いので、雑貨屋さんや手芸店に行くと売っている事もしばしばあります。
ブローチの代わりにつけられる方もおられるので、ブローチピンとも呼ばれます。
お客様からアクセサリーとして完成した写真を頂きました。
ストールピンの製作工程は主に7つあります。
■棒状になっている真鍮をカットする。
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■針先を削る。
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■バネ状に巻く。
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■切削加工で針のフタを作る。
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■針先を収納できる個所などを作った後は、曲げ加工でフタを曲げる。
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■フタと針の逆部分を溶接で固定する。
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■金メッキ加工を行う。
そうして出来たのが、これ。(試作サンプル1回目)
先ず、この一般的な工程で針先を鉛筆の先のような角度に加工したものをサンプルで1回提出しました。
ただ、アッサリとこれではダメと断られてしましました。理由は針先です。
※実は、このストールピンを請けた時は用途を知らなくて、サンプルは頂いていたのですが、どんな用途で使うものなのかを聞いてなかったので知りませんでした。
後になってお客様から用途や注意点を聞いたところ、基本的に服等に刺すものになるので、画鋲のような針先では服に大きな穴が空いてしまうので、裁縫針のような滑らかな針先にして欲しいと要望がありました。
例えば、ボタンを服に付けた事が有る方には想像しやすいと思いますが、裁縫針というのは布に針が通りやすいけど、大きな穴が開きません。
要望通りの滑らかな針先にしていく為に、切削加工をする時の刃先を考え、更に刃の研ぎ方と刃の形状を変えながら何度も何度も加工を行い、3度目のサンプル提出でようやくOKを頂けました。
1回目よりも、更に針先が滑らかになっております。
針先のOKが出たので、ここからフタを作って完成です。
フタはこのようなもので、針と逆の方を溶接しています。
3回目にサンプルを提出した時に、お客様に「やっと思ってたものができたかー!!」と気に入ってもらえて嬉しかったです。
弊社としても、穴のあき方であったり、針の入りやすさにこだわって作ったのは初めてで、「こんなところにこだわりがあるんやなぁ~」とおもしろい経験をさせていただきました。
杉原産業では、40年間で築き上げたノウハウとアイデアで悩んでいる方の助けになりたいと思っております。
諦める前にぜひ一度相談してください。