今回は、この時に初めてお取引をさせていただいたお客様のご依頼です。こちらのご相談をいただいたのは、今から5年ほど前でした。ダイビングなどのマリンスポーツや、海女さんには欠かすことのできない水中メガネを作りたいとのご相談でした。
以前は、ステンレスの枠とゴム素材の組み合わせで作られていた水中メガネですが、このステンレス枠が、今では加工しやすい樹脂に取って代わり、また、製品自体を輸入したり、海外の自社工場へ発注したりしてしまうため、かつて生産を支えていた職人さんも、今では現場を離れ、その技術を受け継ぐ人もいないため、ステンレス枠の国産水中メガネ自体見ることもなくなってしまいました。
もちろん、採算がとれるものではないことは重々承知でしたが、今も質の高いステンレス枠の水中メガネが必要な方は当然おられ、丈夫な、国産の水中メガネを蘇らせたいという取引先様の情熱もあり、その期待になんとかお応えできないかと、社内で検討を始めました。
今回は、まずはかつて水中メガネを作っていた他社の製造工場から、眠ったままになっていた機械を再生するところからスタートしました。再生といっても、メンテナンスすればすぐ動くといったものではなく、廃番となっている部品の調達などからコツコツと問題をクリアしていきました。 技術面でも、枠と、スカート本体(顔に当てるシリコン部分)とのつなぎ目処理など、熟練職人の高度な技を、長年商品開発に携わってきた弊社のノウハウをフルに活用して臨みました。
試行錯誤の結果、職人が作ったものとなんら遜色ない高品質の水中メガネを製作することができました。ステンレス枠は製作の都度、サンプルを水中メガネの枠に合わせて長さなどを微調整します。 検品も、手厚く、ひとつひとつ丁寧に、時間をかけることで、今ではなんと一年に約8万個ほどを製作しています。
生産ラインが走り出してからの五年間、五十万個は作ってきましたが、まだ一度も 不良品もなく、お陰様でお得意様には大変ご満足頂いています。
当初は思いもしなかった結果がついてくる。そのためには、まず諦めずに、やること! 良い方向に、できると考え、そこでしか作ることができない製品を作り続けていく。
→決断・継続こそが特に求められるパーツ部品製作は、日本の部品屋・杉原産業までご相談ください!