お付き合いのあるお客様から、鍵作成の依頼を受けました。今回は玄関などの施錠ではなく、鞄などについている錠前用の鍵とのことで、アクセサリーに近いものです。元々の純正の鍵に面白みと洒落っ気を持たせたいとのご注文でしたので、錠に合わせて真鍮を使って三種類の鍵を作成しました。
弊社ではアクセサリーやチャームといった雑貨のご注文も多数取り扱っていますが、雑貨をご依頼されるお客様は、金具製作に詳しくない方もいらっしゃいます。材質や寸法に関して全くご存知ない方もおられ、お客様のイメージされているものをこちらでいかに作成できるかがアクセサリー作成の重要なポイントです。今回は、納期についてはお客様から特に指定がなかったので、先にこちらでサンプルまで仕上げました。
真鍮は銅と亜鉛の合金で、「黄銅」とも呼ばれています。鉄やステンレスに比べてやわらかく、加工もしやすいため、アンティーク調のチャームやアクセサリーとして人気が高い金属です。また錆びにくく、アクセサリーであっても十分に実用品としての機能を兼ね備ることができます。
ちなみに鍵のような作品の場合、材料となる真鍮の棒から切断、曲げ、研磨などの工程を経て作成することも可能ですが、今回は鋳型を作り、そこに溶かした真鍮を流し込む方法で成型しました。鋳型を作るのには時間も費用もかかりますが、その分ズレのない安定した製品を大量に作成することができます。
鋳型を作る
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溶かした真鍮を流し込む
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成型後研磨
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メッキ塗装
まだサンプルの段階ですが、鋳型を作っておくとその後の急な注文に対して素早く対応できるため、今回は流し込みという方法を取りました。メッキについてはアクセサリーとしても映える物を意識して、真鍮の素材としての美しさを活かした物、そこから少し色をくすませたアンティーク調の物、黒く塗装し艶消しした物の三種類を作成しています。
また、錠に差し込む先端部分はもっとも精度が求められますが、ここで部品屋として長年積み上げてきたノウハウが活きてきます。アクセサリーとはいえ鍵本来の機能に問題あっては意味がありません。アクセサリー、雑貨であっても長持ちするよう丁寧に仕上げています。
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